研究課題
本研究は、耐糖能異常ニューロパチーにおける①adrenergic neuronとcholinergic neuronとの障害度の差についての検討、②発症への酸化ストレスの関与についての検討、③発症への中枢神経系の関与についての検討、および準境界型ニューロパチーと称すべき病態に関する出現頻度の調査、を行い、「耐糖能異常患者に出現する小径線維ニューロパチーの超早期診断法の確立」、「point of no returnを意識した薬物療法の至適開始時期同定」、「準境界型ニューロパチーという新疾患概念の確立」、そして「耐糖能異常患者における小径線維ニューロパチーの発症機序の一部解明」にまで至ることを目的とする。2020年度には、このうち②発症への酸化ストレスの関与についての検討、ならびにcovid-19の影響から昨年度遅延した③発症への中枢神経系の関与についての検討、および準境界型ニューロパチーと称すべき病態に関する出現頻度の調査、を行った。耐糖能異常患者50名を対象に、血中の酸化度/抗酸化力のデータと尿中ミオイノシトール+Aδ線維特異的痛覚閾値+血管運動神経機能の評価から見た小径線維の障害度との相関について検討した結果、両者には相関がみられた(p=0.79、r<0.05)。また、準境界型ニューロパチーの出現頻度調査を行った結果、準境界型患者全体における本症の出現頻度は21.3%と判明した。一方、残念ながら当初計画していた内容のうち、通常の大径線維を評価する電気刺激(=Aβ刺激)と小径神経選択電気刺激(=Aδ刺激)での脳電気活動の違いをMEGとMRIを用いて評価し、脳機能マップを作成しようとする試みは、covid-19に伴う施設や被験者の自粛規制の影響から、正確なマップを作成しうるデータの蓄積こそ叶わなかったものの、耐糖能異常ニューロパチーと脊髄後角、視床との関係性は示唆された。
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