蛋白質のCysteine-thiol基のレドックス状態(RSCT)の変化は当該蛋白質の生理機能に影響を及ぼすことが示されてきているが、Apolipoprotein E (apoE) については明らかになっていない。本研究では、apoEの病態生理学的機能に及ぼすRSCTの影響について検討した。apoEのRSCTはトリグリセライドに富むリポ蛋白とグルコースの代謝に密接に関与していることを見出した。さらに、血清apoEのRSCTは動脈硬化症患者群と対照群とで有意差があり、その評価は動脈硬化性疾患やアルツハイマー病など酸化ストレスを起因とする諸疾患の診断や予防に有用である可能性を見出した。
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