研究課題/領域番号 |
18K07596
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
吉村 篤 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90522079)
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研究分担者 |
角谷 寛 滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (90362516)
栗山 健一 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (00415580)
飯田 洋也 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30733901)
森田 幸代 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (50335171)
松尾 雅博 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70456838)
藤井 勇佑 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20648042)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 術後せん妄 / 高齢者 / 注意障害 / 認知機能 |
研究成果の概要 |
高齢者において手術前の活動量および脳機能と術後せん妄発症との関連を検討した。その結果、消化器外科手術後のせん妄発症群では術前の活動量が非せん妄群に比べて低い傾向が示された。また、米国のジョンズホプキンス大学医学部附属病院において経カテーテル大動脈弁埋め込み術を受ける高齢者を対象に近赤外線光トポグラフィーを用いて術後せん妄の発症を予測する研究を行った。その結果、術前の注意機能課題を行っている際の両側中心後回および両側側頭回における酸素化ヘモグロビンの濃度変化量が術後せん妄の発症予測に有用である可能性が示唆された。これにより、術後せん妄の発症を70%~80%の精度で予測できることが明らかになった。
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自由記述の分野 |
臨床精神医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、高齢者において侵襲のある手術前の認知機能の低下が、術後せん妄発症の危険因子である可能性が明らかとなった。さらに、せん妄発症群ではせん妄非発症群に比べて術前の活動量が低い傾向が示された。また、心疾患のある高齢者の心臓手術においては、術前の脳機能の低下がせん妄の発症の背景にあると考えられ、特定の脳領域における注意機能課題中の酸素化ヘモグロビンの積分値がせん妄の発症を比較的高い精度で予測することができる可能性が示された。本研究は非侵襲的かつ簡便な検査で身体活動や脳機能を評価することで、せん妄の発症を未然に予測できる可能性が示されたことに学術的意義がある。
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