脳腸間の情報伝達において重要な役割を担っている腸内細菌叢は、宿主免疫系を制御することで様々な生理機能や病態形成に関わっている。これまでの研究で、腸内細菌叢は脳の発達や機能に関与することが示唆され、統合失調症の病態に腸内細菌叢が関与している可能性が推測される。 本研究では日本人統合失調症患者を対象として、16S rRNA菌叢解析により腸内細菌の種類や構成を網羅的に解析し統合失調症患者と健常対照者での比較を行った。解析の結果、両群において腸内細菌叢の構成に差は見られず、統合失調症の病態解明には至らなかったが、今後、代謝物質の解析等、多方面からの検討を継続する予定である。
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