研究課題/領域番号 |
18K07617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
戸田 裕之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 准教授 (00610677)
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研究分担者 |
清水 邦夫 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 行動科学研究部門, 教授 (00531641)
古賀 農人 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 助教 (70744936)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | FKBP5 / 双極性障害 / うつ病 / メチル化 / 遺伝子多型 / 遺伝環境相互作用 / 虐待 / 母子分離ストレス |
研究成果の概要 |
気分障害患者と健常人を対象に虐待的養育環境の尺度の再分類と、FKBP5遺伝子の多型とメチル化について検討した。双極性障害患者では、FKBP5遺伝子のSNP rs1360780のTアレルと感情的虐待/ネグレクトの体験との相互作用により、FKBP5イントロン7のメチル化レベルが低下することが示された。 ラット母子分離ストレスモデルを用いた研究では、免疫組織染色でIBA1が増加しておりマイクログリアが数的に増加した。マイクログリアにはFkbp5が豊富に発現しておりシナプス可塑性に関与していることから、Fkbp5はマイクログリアの変化を介してシナプス可塑性に関与している可能性が示唆される。
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自由記述の分野 |
精神医学、分子精神医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
厚生労働省の報告によると、本邦の児童相談所への児童虐待の年間相談件数は、近年急増している。虐待の引き起こす生物学的なメカニズム、治療法や予防法を解明することは我々精神科医にとって急務である。本研究は、ストレス応答回路制御機構のうち、特に、FKBP5の機能に着目した。精神障害の病態を単一の遺伝子でのみ説明するのは困難であるが、虐待を背景に精神障害を発症した患者の少なくとも一部の集団は、FKBP5を中心としたHPA系の機能異常が病態に関与している可能性がある。本研究は、児童虐待の結果生じた精神障害患者の一群に対してより有効で精密な医療を提供できる一助になると考える。
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