研究課題
直交2方向(斜位含む)の2次元血管造影画像(2D-DSA)と三次元回転撮影でのCBCT再構成像(CBCTA)を、定位手術枠固定下でimage localizerを介さず、アプリケーションソフト上で2D-DSAとCBCTAの両者を統合するため、CBCTAの骨や塞栓物質をsubtractionした画像(sub-CBCTA)を使用し再検討した。結果、骨に近い血管(正常血管、病変)の抽出量、選択性が有意に改善し、高精度な画像統合が可能となった。統合できる2D-DSAフレーム数は従来各方向1~2と制限があったが、全フレーム統合可能となり、特にhigh flow例では秒間撮影フレーム数最大で撮影することで、時間分解能を高め3D画像の4次元的解析が可能となった。2D-DSA全フレームとCBCTAを共通座標共有下に双方参照でき、さらにT2強調像など脳・神経組織が描出する画像を統合することで各血管、nidus成分の脳局在、脳組織の介在程度、各耐容性の認識が可能となった。病変周囲を通過する正常血管を識別し、治療対象とすべき異常血管を高い確信度をもった可視化が可能となった。標的体積の閉塞優先度(流出静脈に近い優先度の高い成分)を認識し、強度変調による優れた線量集中性とともに内部線量強度の調整、最適化を用いることでより合理的な線量分布作成が可能となった。2D-DSAとCBCTAの4次元統合診断は、血管造影画像の読影力向上に有用で、教育上の意義も大きいことを明らかにした。また定位照射に限らず血管奇形の適切な診断、事前の標的体積推定に基づく治療方針選択を判断する上で、客観的で確信度の高い情報となり有用であることを明らかにした。マスク固定での照射中の頭部の動きは、blue lightや体表面温度カメラによる頭部表面形状のリアルタイム追跡で有意な動きを検出し、適宜補正することで解決できる見通しがついた。
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