本研究において、がん細胞特異的な細胞外因子の中で放射線感受性に影響するものを探索した。その結果、ラットグリオーマC6細胞の培養において、培養3日間の培養上清に含まれるVEGFはミトコンドリア代謝を介してミトコンドリアROSを抑制し、放射線抵抗性に導くことが分かった。一方、培養上清におけるグルタミン酸枯渇状態は、放射線増感作用を示すことが分かった。これらの結果は、培養上清におけるサイトカイン分泌レベルとアミノ酸や糖代謝に関わる栄養因子の量の変動は、放射線感受性を左右する重要な治療効果改善のための標的因子であることを示唆している。
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