慢性腸炎におけるオートファジーの役割を検討した。ヒト炎症性腸疾患では、活動性が高い粘膜でオートファジーの異常が確認された。慢性腸炎におけるオートファジーの役割を、腸管特異的オートファジー欠損マウスを作成し、検討したところ、オートファジーが腸管上皮細胞で欠損することによって、ERストレスが増強し、それに伴って腸管上皮細胞のアポトーシスが誘導されていることが確認された。このことから、腸管上皮細胞のオートファジーは慢性腸炎において保護的に働いていることが示唆された。 今後、腸管上皮細胞のオートファジーを活性化させるagentを開発によって、新たな炎症性腸疾患に対する治療薬の候補が出てくる可能性がある。
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