研究課題
高血圧はありふれた疾患であるが、しばしば左室の拡張障害をもたらす。その結果、左房圧や肺毛細血管楔入圧の上昇をきたし、うっ血性心不全を引き起こす。このメカニズムの重要な要因として考えられるのが心拍数であり、心拍数が上昇すると左室拡張時間は減少し、拡張障害をもたらし、1回拍出量や血圧は高度な低下をきたす。現在までに、1心拍ごとの血圧は侵襲的なカテーテル留置を用いた観血的評価のみ可能であり、手法、症例に限界がある。本研究では、1心拍ごとの非観血的連続血圧測定装置を用いて、心拍数に伴う血圧変化をカテーテル検査中の左房圧および心臓超音波検査で評価した拡張障害と比較検討する。最終的に、非侵襲的・簡易的な非観血的連続血圧測定装置による左房圧や左室の拡張障害を予測する指標を確立し、対象フィールドを広げることで高血圧患者全体における拡張障害による心不全の発症予防につなげる。2020年度までに約200人のベースラインデータの収集を行った。登録したすべての患者で心電図、心臓超音波検査を施行した。2023年度は、下記3件の学会発表を行った。1) 両心室ペースメーカ前後の心拍出量の変化とリバースリモデリングの程度を検討した。2) 拡張型心筋症と虚血性心疾患における両心室ペースメーカと心拍出量の変化を検討した。3) 脚ブロックの有無と両心室ペースメーカ前後の心拍出量の変化を調べた。以上により、心拍出量の変化を病態や心電図所見と関連づけてまとめることができた。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)
Journal of Arrhythmia
巻: 39 ページ: 574-579
10.1002/joa3.12874