当初の実験目的であった、光遺伝学的手法をもちいた心室細動の発生、維持におけるプルキンエ線維-心室筋接合部の役割の解明はできなかった。マウスの心臓では、目標とするプルキンエ線維に思惑通り光を照射することが困難であったため、仮説を証明する実験系が不適切だった可能性がある。大動物を使った実験による検証が望まれる。 一方で、マウスの心臓レベルでは心房細動の光除細動効果を確認することができた。また、vivoレベルにおいて、光刺激による活動電位持続時間の変化を初めて確認することができた。今後、実験を継続し、光照射の種々のパラメータを変えることで、どのような電気生理的変化が起こるかを明らかにしていく。
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