我々が老化抗原として同定したSAGPを標的とした老化細胞除去治療の有用性を検討するため、SAGP陽性細胞を除去するワクチンを確立した。SAGPの一部のペプチドを抗原としたワクチンを肥満、糖尿病マウスにこのワクチンを投与すると脂肪組織における老化細胞が低下し、耐糖能の改善を認めた。また動脈硬化モデルマウスであるApoE欠損マウスにワクチンを投与すると炎症性サイトカインなどの低下と動脈硬化巣の減少とを認めた。さらに早老症モデルマウスの寿命を延長することも明らかとなった。これらの結果から、SAGPを標的とした老化細胞除去治療は糖尿病、動脈硬化をはじめとする生活習慣病の新しい治療となると考えられた。
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