好塩基球は、血液中1%未満の稀少細胞であるが、強力なサイトカイン・ケミカルメディエーター産生能を持つポテンシャルの高い細胞である。本研究では、慢性難治性気道炎症性疾患における好塩基球の難治化因子、バイオマーカーとしての可能性について検討を行った。 気管支喘息では、喀痰中好塩基球数と喀痰中好酸球数に正の相関を認め、好酸球性炎症フェノタイプ(好酸球2%以上、好中球60%未満)で好塩基球が増加していた。また、副鼻腔炎のうち篩骨洞炎症との関連がみられた。COPDや関節リウマチの気道病変においても好塩基球性炎症がみられたが、呼気一酸化窒素濃度やIgE値との関連はなく、喘息とは異なった機序が想定された。
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