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2020 年度 研究成果報告書

腹膜組織解析による腹膜硬化症から被嚢性腹膜硬化症への進展機序とリスク因子の検討

研究課題

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研究課題/領域番号 18K08205
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53040:腎臓内科学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

鈴木 康弘  名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (20584676)

研究分担者 水野 正司  名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (20303638)
伊藤 恭彦  愛知医科大学, 医学部, 教授 (60402632)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード腹膜透析 / 被嚢性腹膜硬化症
研究成果の概要

腹膜透析における被嚢性腹膜硬化症(EPS)の進展機序解明を目的に、腹膜組織の血管障害に注目しEPS手術症例から得た腹膜組織214検体を用いて病理組織学的に検討した。酸性透析液と中性透析液の患者を比較すると酸性液群はL/V ratioが有意に低値(血管障害が高度)であり経年的に血管障害が進行していた。炎症細胞数、腹膜肥厚に有意差はなかった。中性液では血管障害が軽度で多くが腹膜炎からEPSへ進行しており、酸性液と中性液でEPS発症機序に違いを認めた。以上より特に酸性透析液で非生理的要素から血管内皮細胞障害が進行し、その血管障害が滲出性病変を促進しEPS発症や再発の要因となっていると推察された。

自由記述の分野

腹膜透析

研究成果の学術的意義や社会的意義

腹膜透析療法において被嚢性腹膜硬化症(EPS)は最も重篤かつ長期施行の妨げとなっておりそのメカニズムの解明と予知・予防法の確立が求められているが、まれな疾患であり大規模に調査したものは世界的にもない。そこで、EPS手術症例が多数集積するあかね会土谷総合病院と共同して、200検体以上のEPSの腹膜組織検体を病理学的に解析した。その結果腹膜の血管内皮障害がEPS発症、再発の主要因子であることを同定した。特に酸性透析液による内皮細胞障害がEPSの引き金になるという発症のメカニズムを解明できた。今後、予知因子を同定し、EPSの予防や早期治療を可能にすることにつながる重要な成果と思われる。

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公開日: 2022-01-27  

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