研究課題
基盤研究(C)
ネフロン癆の責任遺伝子産物(NPHP)は、主に細胞内小器官である一次繊毛に局在する。一次繊毛が発信するシグナルは、最終的に細胞増殖、細胞極性、細胞分化などを制御すると考えられている。本研究では、繊毛からのシグナル伝達に関わると考えられる分子群の解析を行い、その結果、NPHP16であるANKS6が一次繊毛INVコンパートメント以外にルートレットに蓄積していることを明らかにした。さらに嚢胞腎関連タンパク質であるBICC1やANKS3もルートレットに局在が確認され、これらがANKS6とともに巨大な複合体を形成して腎臓の形態維持に関与していることを示唆された。
腎臓内科学
嚢胞腎関連遺伝子であるANKS6, BICC1, ANKS3の局在、結合能などを詳細に解析した結果、BICC1-ANKS3-ANKS6は一次繊毛ルートレットに局在し、巨大な複合体を形成していることを明らかにした。その結果、これまで数多く報告されてきたが未解明な点が多かった嚢胞腎関連遺伝子間の相互作用の理解に貢献できたと考える。