高尿酸血症を来すABCG2機能低下の腎機能低下速度への影響を解明することを目的とし、ABCG2遺伝子の一塩基多型を用いて検討した。276名のCKD患者を対象とした検討で、CKDステージG3群において、推定ABCG2機能低下に伴いeGFR低下が促進される傾向が認められた。また、健常者1885名(eGFR>60 mL/min/1.73m2)を対象とした後ろ向きコホート調査でも、9-10年の長期の時間経過により推定ABCG2機能低下が有意に腎機能を低下させた。更に血清尿酸値等で傾向スコアによるマッチングをした場合にも同様な結果であり、ABCG2の血清尿酸値を介さない腎機能への関与も明らかになった。
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