日本における生活習慣病患者は、延べ9000万人以上と言われ、心血管系臓器障害だけでなく、腎臓障害を引き起こす。我が国の血液透析患者数は増加の一途をたどり、進行性腎臓障害はいまだ十分な予防・治療を行うことができていない疾患である。Hypertension-related, calcium-regulated gene(HCaRG/COMMD5)は、障害を受けた腎尿細管の修復を促進するだけでなく、急性腎障害において、尿細管上皮細胞間の構造を強固にすることで尿細管上皮バリアを維持し、上皮細胞の受ける酸化ストレスを軽減し、リソソーム分解系の障害を抑制することにより腎保護に働くと推測された。
|