研究課題
基盤研究(C)
大Maf 群転写因子は、ネフロンでは、MafB, c-Mafが発現している。MafBは成体では糸球体腎臓の発生において、上皮化したネフロン前駆細胞は、糸球体上皮細胞、近位尿細管、遠位尿細管のそれぞれに分化する。MafBは上皮細胞に強く発現している。また、c-Mafは近位尿細管に発現していることが知られている。MafBノックアウトマウスの解析からMafBは糸球体上皮細胞と近位尿細管細胞の分化に必須であるが、遠位尿細管細胞ではそうではないことが示唆された。
腎臓内科学
大Maf群転写因子のネフロン発生と分化における機能については、糸球体上皮細胞についての報告はあるものの近位尿細管、遠位尿細管発生に関するものはほとんどない。MafBは糸球体上皮細胞と近位尿細管細胞の分化に必須であるが、遠位尿細管細胞ではそうではないこと、c-Mafは近位尿細管の発生には必須ではないことを示した。また、ネフロン前駆細胞の大Maf群転写因子の発現パターンを制御することで、将来的な再生医療に生かすことができる可能性がある。