好中球は種々の炎症性腎疾患の活動期及び急性期の腎に蓄積し組織障害を助長すると考えられている.そこで,疾患活動期に注目して好中球の病的な過度の活性を腎外・細胞内から制御する手段を模索した. 腎外からの好中球制御として,一部の神経伝達物質は中枢神経ではなく末梢神経が分布する末端臓器・組織において炎症に対して保護的に作用していた. 細胞内からの好中球制御としては,DNA や RNA と結合或いはそれらによって活性化されるリン酸化酵素に着目した.これらは好中球の活性酸素産生や血管内皮接着や血管外遊走などを仲介しており,細胞の integrity を左右する細胞骨格の重合反応に必須であった.
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