研究課題
基盤研究(C)
新規ゲノム編集技術CRISPR/Cas9を用い、全ゲノムスケールの19,114遺伝子を評価対象とした機能的遺伝子スクリーニングをT/NK細胞性リンパ腫細胞株に対して施行し、各T/NK細胞リンパ腫病型の細胞増殖・生存に必須の遺伝子群を同定した。この中の数遺伝子に関して検証実験を行い、いずれもノックアウトによりT/NK細胞リンパ腫細胞株の増殖・生存がそこなわれることを確認できた。これにより当研究の目的であるT/NK細胞リンパ腫の治療標的分子・分子シグナリングの包括的リストの作成を達成できた。
血液腫瘍学、分子腫瘍学、分子生物学、腫瘍免疫学
T/NK細胞リンパ腫の多くは現行の治療に対して5年生存率30%と予後不良である。今回の研究からT/NK細胞リンパ腫の治療標的分子・分子シグナリングの包括的リストを作成できたことで、新規分子標的治療開発が加速され、将来的にT/NK細胞リンパ腫の治療成績の向上に貢献することができる。また、T/NK細胞リンパ腫の増殖・生存の分子メカニズムの理解が進んだ点は学術的意義が高い。