2型糖尿病患者は増加の一途であり、その合併症による患者の生活の質低下のみならず、医療経済的にも大きな問題となりつつある。しかしながら、多くの研究者が治療薬や治療法の開発・研究に注力しているものの、発症予防に主眼を置いた研究は殆ど無い。本研究は2型糖尿病発症初期段階で低下する第1相インスリン分泌の機序解明と、障害部位の同定、治療介入による2型糖尿病発症抑制を目的として立案した。本研究で我々は新たな2型糖尿病発症機序を見出し、新規糖尿病薬イメグリミンはその経路を介してインスリン分泌を増強することを証明し、報告した。糖尿病発症抑制研究の道筋を示した点で、本研究成果の意義は大きい。
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