潰瘍性大腸炎(UC)、家族性大腸腺腫症(FAP)の大腸全摘・回腸嚢肛門吻合術症例を対象に回腸嚢粘膜を採取し、内因性抗菌タンパク/ペプチドであるRELM-β、hBD1、HD5についてのmRNAの定量をRT-PCR法にて行った。UCとFAPで発現量に有意差は認めなかったが、人工肛門閉鎖後1年以内、1-2年の症例と比べ、2年以上の症例でRELM-βとhBD1の発現量が有意に低下した。回腸嚢炎の有無で明らかな差は認めなかった。16SrRNA シーケンス法にて腸内細菌叢の検討を行い、Weighted Unifrac解析では人工肛門閉鎖後にUC回腸嚢の細菌叢が経時的に健常人の細菌叢に近づく傾向を認めた。
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