研究課題/領域番号 |
18K08788
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森崎 隆 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90291517)
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研究分担者 |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
今泉 晃 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30624051) [辞退]
三好 圭 九州大学, 大学病院, 助教 (70755272)
永井 俊太郎 九州大学, 大学病院, 助教 (90755240)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | RBPJ / MAML3 / 肺NET / 小細胞肺癌 / Hedgehogシグナル / Notchシグナル |
研究実績の概要 |
本年度は、①治療標的としての特異性・安全性の確認および②細胞レベルでの治療標的機能の同定を行った。RBPJ、Hedgehogシグナル系、Notchシグナル系は、正常細胞よりも、癌細胞で発現が高く、治療の特異性・安全性が担保できることを確認した。次に、小細胞肺癌細胞株にRBPJ siRNAおよびMAML3 siRNAを導入してRBPJ、MAML3を抑制して機能評価を行った。増殖能はRBPJ、MAML3抑制で有意に低下した。また、浸潤能・遊走能はRBPJ、MAML3抑制で有意に低下した。浸潤能低下のメカニズム解析として、matrix metalloproteinase (MMP)発現およびEndothelial mesechymal transitition (EMT)の関与を検討した。western blot法での解析では、RBPJ、MAML3抑制でMMP2、MMP9、の発現が低下した。一方で、vimentin、E-cadherine、Snailの発現では有意な変化が認められなかった。これら結果より、RBPJおよびMAML3抑制による浸潤能低下には、MMP発現抑制が関与していることが示唆された。したがって現在までに、RBPJ、MAML3、Hedgehogシグナル、およびNotchシグナルが癌に特異性の高い治療標的となり得ること、また、標的機能として増殖能、浸潤能があることが分かり、現在も他の機能解析を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RBPJ、MAML3、Hedgehogシグナル、およびNotchシグナルが癌に特異性の高い治療標的となり得ること、また、標的機能として増殖能、浸潤能があることが分かり、新規治療法開発を行え得る分子であることが分かった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、①発癌予防標的経路としての可能性の検証として間質性肺炎組織におけるRBPJ、HhおよびNotch経路標的遺伝子の発現プロファイル作成を行う。また、②RBPJ制御による癌治療法開発のためのRBPJ発現制御に関与する経路の網羅的解析を行い、関与する新規分子や新規遺伝子を同定したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は予想外に再現実験がうまくできたために、使用予定でった薬剤や抗体を使用しなかったために、次年度に繰り越すことが可能であった。次年度は、免疫染色と網羅的解析のためのマイクロアレイ解析を行う予定であり、これら研究実施に費用を当てたいと考えている。
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