研究課題
本研究の主目的は、転写因子Recombination Signal Binding Protein for Immunoglobulin-kappa-J Region (RBPJ)を標的としたHedgehogシグナル、Notchシグナル阻害による新規肺NET治療法を開発することである。本年度は、肺大細胞神経内分泌細胞癌細胞株NCI-H460およびNCI-H810を用いて、RBPJの増殖、遊走、浸潤に及ぼす影響につき再現実験を中心に行った。RBPJの抑制は、RBPJ siRNAの導入により行った。RBPJ siRNAによるRBPJ蛋白の抑制はwestern blot法で確認した。増殖試験では、RBPJの抑制によりNCI-H460およびNCI-H810細胞株共に有意に増殖低下が認められた。遊走試験では、RBPJの抑制により2細胞株で有意な変化は認められなかったが、マトリゲル浸潤試験では、RBPJの抑制により2細胞株で有意に浸潤能が低下した。western blotで、浸潤能低下のメカニズム解析を行ったところ、endothelial mesenchymal transition(EMT)に関連する蛋白発現に変化が認められることが分かり、さらに解析を進めている。以上より、小細胞肺癌のみならず、肺大細胞神経内分泌細胞癌細胞株においても、RBPJは増殖・浸潤といった悪性形質誘導に関与しており、治療標的分子となり得る可能性があると考え、今後マウスを用いたIn vivo治療実験を検討している。
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