麻酔下ラット冠動脈閉塞開放による虚血再灌流傷害は吸入麻酔薬により抑制された。この保護作用のメカニズムとして我々の今までのin vitroでの実験結果をもとにTRPCチャンネルが関与していると仮定し、そのブロッカーを前処置して同様の実験を行い、その抑制効果を観察した。また、この効果はTAC手術による肥大心筋ラットにおいても、吸入麻酔薬とTRPC channelブロッカーのいずれも抑制効果が認められた。また、心筋残存バイアビリティも吸入麻酔薬で温存されたことから、TRPCチャネルを介した心筋残存バイアビリティの保持効果を併せ持つ可能性が示唆された。
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