凝固因子の複合的欠乏が本態となる希釈性凝固障害に対しては、新鮮凍結血漿の投与では生体のトロンビン生成を十分に改善することが難しい。今回、凝固因子混合濃縮製剤である第7因子・第10因子複合体製剤 (FVII/FX)を用いて希釈性凝固障害における止血効果を評価した。血液希釈モデルにおいて十分なFXが存在していることで、効率的なFVIIによるトロンビン生成が可能であった。FVIIa/FXの遺伝子組み換え活性型第VII因子製剤に対する優位性は、血友病患者における同製剤の臨床使用濃度の1/4から1/8程度の低用量でも明らで、FVIIa/FXは希釈性凝固障害時の有用な止血製剤となる可能性が示唆された。
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