研究分担者 |
岡田 英志 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (30402176)
竹村 元三 朝日大学, 歯学部, 教授 (40283311) [辞退]
宮崎 渚 朝日大学, 歯学部, 准教授 (50550141)
鈴木 浩大 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (80724583) [辞退]
長屋 聡一郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60444311)
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研究実績の概要 |
腸管には粘膜を被覆する粘液層やグリコカリックスにより形成される粘膜バリアが存在し, 腸管上皮組織への腸内細菌の侵入を防いでいる. 重症患者では早期から経腸栄養を行うことが代謝動態を改善すると報告されているが, 絶食による腸管細胞表面のグリコカリックスの構造変化や経腸栄養剤による影響については不明である. 腸管粘膜バリアの正常な3次元構造を同定し, 絶食後に経腸栄養剤が腸管に与える影響について超微形態学的に検討した. 10週齢オスのC57BL6マウスを用いて48時間絶食を行った後, 経腸栄養を開始し1日, 3日, 7日後に胃上部, 中部, 下部, 十二指腸, 空腸, 回腸、上行結腸, 横行結腸, 下行結腸を取り出し, 液体窒素を用いた凍結割断法により電子顕微鏡用サンプルを作成した. 経腸栄養として通常餌とメイジメインに2種類を用いて経時的変化を比較検討した. またLPS 15mg/kgのDoseで腹腔内投与した血管炎モデルにおいても同様の検討を行った。 十二指腸~下行結腸においてはグリコカリックスにより微絨毛構造が覆われていた. しかし, 絶食48時間後の腸管ではグリコカリックスの剥離や菲薄化を確認することができた. 腸管の細胞増殖をki67免疫染色にて確認したところ絶食48時間後ではその数は著明に減少していた. 経腸栄養開始7日後においても通常餌では回復が見られなかったが, メイジメイン使用群では有意な改善を認めた.絶食により腸粘膜バリアであるグリコカリックスが傷害されることが確認できた. 経腸栄養を開始後, メイン使用群で早期の回復が認められた. これはLPSモデルにおいても同様の結果が得られている。
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