研究分担者 |
松本 直也 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (50359808)
山野 修平 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60570538)
梅原 敬弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (60617421)
池松 和哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80332857)
田崎 修 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (90346221)
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研究実績の概要 |
本研究では、炎症病態を複数マーカーの発現パターンとして捉えて、パターンを評価指標とする新たな炎症病態評価法を確立することを目的としており、今年度は、これまでの基礎データに加えて、マウス敗血症モデル、広範囲熱傷モデルにおける自然免疫受容体の発現に加えて、その下流のシグナル分子の遺伝子発現パターンでも特徴的変化を示すことを明らかにして、米国集中治療学会で報告した。 C57BL/6マウスを用い、Sham、Cecal Ligation and puncture: CLP、広範囲熱傷モデル(TBSA20%)の3群で、受傷3, 6, 12, 24時間後に全血よりtotal RNAを抽出した。定量RT-PCRで自然免疫受容体(TLR2, TLR4, TLR9, NLRP3, RIG-I)とシグナル分子(MyD88, TRIF, IRF-3, IRF-7, Caspase-1)の遺伝子発現を測定し判別分析で発現パターンを比較した。TLR2, TLR4, NLRP3, MyD88の発現はCLP, Burnにおいて3時間後から有意に上昇した(p<0.05)。CLPにおいてTLR9は12, 24時間後でSham, Burnより有意に低下(p<0.05)、IRF-7は有意に上昇した(p<0.05)。3時間後から各群で特徴的な遺伝子発現パターンを示し、判別分析では3時間後で 判別過誤率6.06%、6時間後からは0%で各病態を判別できた。 受傷早期から感染、組織損傷とも病態特異的な自然免疫系の反応が惹起されていると考えられ、自然免疫系のパターン解析により全身性炎症反応の病態を判別できる可能性が示唆された。
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