研究成果の概要 |
本研究では敗血症におけるSVEP1の動的変化を明らかにすることを目的とし,マウスを用い, 手術なしモデル, 単開腹モデル, 腹腔内敗血症モデル(盲腸結紮穿孔)を作成し, SVEP1の遺伝子発現・タンパク質産生, 細胞ごとの動的変化を比較した. 肺でSVEP1の遺伝子発現とタンパク質産生が有意に高く, 敗血症により, 肺でのSVEP1遺伝子発現やタンパク質量が減少した. 肺において敗血症の早期に, SVEP1を有する血管内皮細胞やリンパ管内皮細胞が減少し, SVEP1を有する血球系細胞が増加することが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により, 敗血症における細胞外マトリックスタンパク質であるSVEP1の遺伝子発現・タンパク質産生・細胞ごとの動態を明らかにすることができた. 生体におけるSVEP1と敗血症に関する報告はこれまでになく, 本研究で得られた結果は新規性が高い. 本研究結果をもとに, SVEP1の敗血症における機能を解明するさらなる研究に展開することが期待でき, その結果, 敗血症のさらなる病態解明や, 新規治療法の開発に寄与しうるものと考えられる.
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