脳腫瘍の一種、頭蓋咽頭腫はエナメル上皮腫型と乳頭型という2種類の亜型に分類されます。この内、乳頭型はBRAF遺伝子の変異が発生原因であることが近年報告されました。私たちは、以前の研究で、乳頭型だけに腫瘍内の糖の代謝が亢進していることを疑っていました。頭蓋咽頭腫の組織標本を用いて、糖代謝関連蛋白の発現亢進が見られるのか否か、そしてそれが、BRAF遺伝子変異と、またFDG-PET(糖代謝を画像化する検査)の糖代謝亢進と一致するのかについて研究しました。この結果、頭蓋咽頭腫の内、乳頭型にだけ、BRAF変異、糖代謝関連蛋白の発現亢進、FDG-PETでの糖代謝の亢進がみられることを初めて証明しました。
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