クオラムセンシング機構と呼ばれる「細菌の細胞間情報伝達機構(コミュニケーションシステム)」がバイオフィルム形成に深く関連していることに着目して、従来の抗菌剤(無機物、有機物、化学療法剤)と異なった「QS阻害剤」によるバイオフィルムの制御を目指した本研究は斬新である。米国疾病管理予防センターは「手術部位感染予防のためのガイドライン(2017年)」内で「人工関節置換術におけるバイオフィルム形成もしくは手術部位感染の予防のためのバイオフィルム制御薬を評価した研究を見つけることができなかった(未解決問題)」と報告している。本研究は国内外で解決が待たれている非常に重要な研究課題に挑戦した研究である。
|