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2018 年度 実施状況報告書

遺伝および環境要因を考慮した尿路上皮癌における新たな分子基盤の構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K09158
研究機関筑波大学

研究代表者

小島 崇宏  筑波大学, 医学医療系, 講師 (40626892)

研究分担者 西山 博之  筑波大学, 医学医療系, 教授 (20324642)
河原 貴史  筑波大学, 医学医療系, 助教 (50758919)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード膀胱癌 / 体細胞変異
研究実績の概要

TP53 codon72および喫煙と体細胞変異との関連:膀胱癌患者の体細胞変異とTP53 codon72に着目し、筋層非浸潤癌においてはArg/ArgおよびArg/Pro患者においてはFGFR3の頻度が有意に高かった。また、Arg/Arg患者ではPIK3CAの頻度が有意に高く、Pro/Proアレルを持つ患者ではRAS変異の頻度が有意に高いことを見出した。筋層浸潤癌においては筋層非浸潤癌と同様でArg/ArgおよびArg/Pro患者においてはFGFR3の変異頻度が高い傾向を認めた。一方RASやPIK3CAおよびTP53の変異頻度とTP53codo72との間には相関を認めなかった。喫煙と体細胞変異との相関を比較すると喫煙者においては筋層非浸潤癌患者および筋層浸潤癌患者双方においてRAS変異の頻度が高い傾向を示した。喫煙とTP53 codon72のアレル情報を統合して比較検討すると筋層非浸潤癌においてはTP53codon72のArg/ArgおよびArg/Proアレルを持つ患者ではFGFR3変異が多いが、非喫煙者ではRAS変異がほとんど見られなかった。Pro/Proアレルを持つ患者では喫煙歴にかかわらずRAS変異が多い結果であった。
ジャポニカアレイによる網羅的SNP解析:ジャポニカアレイを用いて網羅的SNP解析を96例について解析を終了している。体細胞変異陽性患者および陰性患者を比較して、変異の頻度に関連するSNPの検索を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

TP53codon72および喫煙と体細胞変異との関連について:TP53 codon72と喫煙が筋層非浸潤癌においてRASおよびFGFR3の変異と相関があることを見出した。今後TP53codon72の遺伝子多型や喫煙、体細胞変異が腫瘍免疫環境と関連がないか比較検討する予定である。
全ゲノム領域のSNP情報の取得と体細胞変異、免疫環境の関連性の検討について:全ゲノム領域の網羅的SNP解析については96例については解析が終了しており、体細胞変異との関係については比較検討中である。
体細胞変異と腫瘍免疫環境における環境要因の影響について:環境要因として喫煙が筋層非浸潤癌においてRAS変異との間に相関があることを見出した。現在HPVなどのウイルス感染が変異や腫瘍免疫環境に関連するか検討中である。
以上から概ね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

全ゲノム領域のSNP情報の取得と体細胞変異、免疫環境の関連性について:全ゲノム領域の網羅的SNP解析の結果とターゲットシークエンスで得られた体細胞変異との相関について検討中である。現在候補となるSNPをピックアップしており既報との関連を検討する予定である。
体細胞変異と腫瘍免疫環境における環境要因の影響について:環境要因として喫煙が筋層非浸潤癌においてRAS変異との間に相関があることを見出した。今後、腫瘍免疫環境についてはRNA-seq解析やFFPE検体を用いて検討する予定である。また膀胱癌におけるHPVなどのウイルス感染の頻度をRNA-seqデータを用いて評価し頻度を検討中である。ウイルス感染と体細胞変異との関連や腫瘍免疫環境との関連について比較検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初、予定していた消耗品等が年度末で品切れだったため購入ができなかったため。年度が変わり品物の手配が付き次第購入する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Germline TP53 codon72 is associated with FGFR3 and RAS mutation and FGF signals in bladder cancer2018

    • 著者名/発表者名
      河原貴史、小島崇宏、木村友和、河合弘二、西山博之
    • 学会等名
      第77回日本癌学会

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公開日: 2019-12-27  

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