子宮体癌に対してこれまで多くの分子標的薬が試行されてきたが、いずれも満足できる結果は得られていない。近年の網羅的遺伝子解析の結果から(Nature, 2013)、子宮体癌は単一の強い癌遺伝子変異では癌化しにくいことが示されており、腫瘍の生物学的特性に基づいた治療戦略が求められている。子宮体癌の腫瘍学的特徴はホルモン依存性であり、その増殖や発癌にエストロゲンやプロゲステロンが深く関与する。本研究は新規エストロゲン受容体であるエストロゲン関連受容体(ERRα)に着目し、ERRαが子宮体癌における浸潤・進展に関与しており治療ターゲットとして有望であることを示した。
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