研究課題/領域番号 |
18K09236
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
小林 陽一 杏林大学, 医学部, 教授 (90205493)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 子宮内膜症性嚢胞 / 薬剤抵抗性 / 黄体ホルモン / アズロシジン / 炎症性サイトカイン |
研究成果の概要 |
内膜症患者の嚢胞内容液のプロテオミクス解析の結果から薬剤抵抗性の新規バイオマーカーとして数種類のタンパクを同定し、その中のazurocidin (AZU) に着目した。AZUは内膜症由来不死化培養細胞に対し炎症性サイトカインの産生を亢進しDNGの作用を減弱させた。またAZUはEmosis細胞においてエストロゲン受容体とプロゲステロン受容体Bの発現を亢進させた。臨床検体での検討では、DNG抵抗性患者の血清および尿中のAZU濃度は有意に高値であった。 以上のことからAZUは薬剤抵抗性のバイオマーカーとなり得るとともに卵巣内膜症性嚢胞の治療方針の決定に有用である可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
婦人科腫瘍
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣内膜症性嚢胞は月経困難症をきたし女性のQOLを損なうばかりではなく、不妊症の原因にもなる。治療法としては薬物療法と手術療法に大別されるが、はっきりとした治療指針は確立されていない。本研究で新規バイオマーカーにより薬剤抵抗性の患者を拾い上げることができれば、治療方針の決定に大きく寄与することが期待され、また女性のQOL向上による社会的生産性の増加や、大きな意味では少子化対策の一環ともなり得る。また未だ癌化との関連性は明らかではないが、薬物抵抗性ということが判明すればより積極的な手術療法による病巣の除去により、将来的な癌化のリスクを減少させることも期待できる。
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