現在も治療法のない染色体異常に対する抑制法の確立を目指し、ヒト成熟遅延卵子を老化卵子モデルとして用いて微小管重合促進剤により高頻度の染色体早期分離を人為的に抑制する方法を発見した。この現象には微小管ネットワークの細密化に加え、細胞周期蛋白GADD45A 転写上昇によるG2/M チェックポイントの活性変化、転写後調節による染色体接着蛋白リン酸化オーロラキナーゼの高発現が介在していた。また,受精後の胚盤胞形成率上昇にアクチン高発現に伴う細胞質分裂の正常化や呼吸量上昇が関与する可能性がヒト卵子と老齢マウス卵子で認められ,微小管重合促進剤処理が高齢女性卵子の染色体異常をも抑制する可能性が大きい。
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