CD98は重鎖と軽鎖からなる膜タンパクである。CD98重鎖の過剰発現は、様々な癌で予後不良因子であることがわかっている。我々は、頭頸部扁平上皮癌においてCD98重鎖が癌幹細胞のマーカーであることを報告した。一方でCD98軽鎖はアミノ酸トランスポーターであり、癌細胞にはLAT1が特異的に発現している事が解明されはじめている。頭頸部扁平上皮癌ではその働きは明らかでない。我々はLAT1陽性細胞が悪性度に関与し、治療抵抗性に寄与している事を明らかにした。そして、CD98軽鎖を阻害することによって癌幹細胞を死滅できる可能性を示唆した。癌幹細胞マーカーであるCD44v9との関連を調べていく。
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