現在まで、舌における味覚認知や味覚の役割など報告はみられるものの、咽喉頭における化学受容器の役割を検討した報告は少ない。酸味はもともと唾液分泌とともに嚥下反射を惹起させることが知られており、嚥下障害患者に対する対応として推奨されているが、咽喉頭における酸味の役割を示した報告はほとんどない。今回は酸味刺激に対して咽頭嚥下に限局して検討したところ、有意に咽頭嚥下反射が促進されたことにより、胃酸の咽喉頭逆流を防止する働きについての可能性が示唆された。日常診療においても咽喉頭逆流症が様々な症状を起こしていることより今後、酸刺激を用いた対応や予防などにつなげていきたい。
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