骨・軟骨分化に関わるシグナル分子であるBmpやTGF-bは共通の受容体を介し上流のシグナルを共有するにも拘らず、骨・軟骨分化能に対する役割は異なっている。その違いを生み出しているのは下流に存在するシグナル分子が異なることが予想されるが、骨・軟骨誘導作用を特異的に決定づけるシグナル伝達機構の解明は進展していない。創薬的観点から既存の受容体をターゲットとした薬剤の探索は新規性の限界に達しており、今後は特定の分子標的薬と特定の疾患への有効性が注目を浴びている。本研究で明らかとなったシグナル分子の詳細により骨・軟骨再生や臨床的に重要な多くの骨疾患の治療に有用な知見を与える可能性がある。
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