研究課題/領域番号 |
18K09562
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
江原 道子 朝日大学, 歯学部, 講師 (10425308)
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研究分担者 |
中尾 寿奈 朝日大学, 歯学部, 助教 (30734173)
永山 元彦 朝日大学, 歯学部, 教授 (50298436)
木下 聖子 創価大学, 糖鎖生命システム融合センター, 教授 (50440235)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 口腔前癌病変 / 糖鎖 |
研究実績の概要 |
2019年度は、2018年度に実施したMALDI-IMSを用いた病理組織切片上での糖鎖発現および局在の解析により得られた10種類の質量について、日本糖鎖科学統合データベース(JCGGDB)に参画している、糖鎖構造解析および合成技術のための基盤データベース内の "Glycan Mass Spectral DataBase" により検索を行った。ただし、N型糖鎖構造に関する質量については、今までに発表されている論文において、様々なデータベースの利用、解析方法の違いなどがあるため、本研究に最も合致すると思われる方法を検討する必要がある。 また、解析する症例数を増やすことが必要であるため、データベースによる検索を進めながら、本学医科歯科医療センターにおける過去の症例のみならず、新たに病理診断に提出された症例の収集を行った。さらに、パラフィン切片ではなく、凍結標本における解析も実施する必要があるため、臨床担当医と情報を共有し、特に、生検に先立って行われる、生検よりも低侵襲の細胞診にて低異型度上皮内腫瘍性病変あるいは上皮異形成相当(OLSIL : low-grade squamous intraepithelial lesion or low-grade dysplasia)、高異型度上皮内腫瘍性病変あるいは上皮異形成相当(OHSIL : high-grade squamous intraepithelial lesion or high-grade dysplasia)および扁平上皮癌(SCC : squamous cell carcinoma)と判定された症例について、切除標本の一部を凍結標本として収集、保存した。さらに、免疫染色については、すでに終了しており、今後、浜松医科大学で行う予定であるMALDI-IMS解析結果との関連について検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の予定では、MALDIイメージング解析を、出張経費削減および効率的に解析を進めるために、2019年2月から3月の期間で、浜松医科大学で行う予定であった。2019年12月までに症例数も確保でき、必要な免疫染色の準備は整っていたが、1月下旬頃から新型コロナウイルスの感染が拡大傾向を示し、さらに東海地区でも感染者が増加してきたことより、出張を自粛し、感染拡大終息を待っていた。しかしながら、感染は日本国内で拡大する一方であるため、2019年度内でのMALDIイメージング解析実施および終了を断念することになり、本研究課題における進捗に若干の遅れが出ている。 免疫染色等との比較など、MALDIイメージング解析以外の解析結果は揃っており、MALDIイメージング解析を行う症例は整っているため、感染症が落ち着いてきたら、速やかにMALDIイメージング解析を行うことは、浜松医科大学の担当者とも打ち合わせが終了しており、新型コロナウイルス感染終息後は、速やかに実施する。
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今後の研究の推進方策 |
解析する症例数は確保できたため、スムーズにMALDIイメージング解析を行うことができると考えている。さらに、その結果をもとに、グライコインフォマティクス解析により、改変される糖鎖構造を見出し、病理組織標本での免疫染色を実施し、標本上での再現性について検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では、2019年12月までに症例を収集した後、2020年2~3月の期間で浜松医科大学におけるMALDIイメージング解析を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴って、出張を自粛することとなった。そのため、感染症の感染拡大が落ち着き次第、計画的かつ速やかに実施する。
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