口腔癌に対する養子免疫療法の開発を目的に、ヒトVγ9Vδ2T細胞に着目してその可能性を検討した。8種類のヒト口腔癌細胞を用いて細胞障害アッセイを行ったところ、Vγ9Vδ2T細胞によって殺傷されることを確認した。 次に細胞傷害活性に栄養条件の及ぼす影響を検討した。培地から脂質を除去した場合、また細胞膜からコレステロールをシクロクロスで取り除くことによって、この細胞傷害活性が上昇することを確認した。これらの条件では、口腔癌細胞のメバロン酸経路の活性化の上昇が確認できた。以上の結果から、Vγ9Vδ2T細胞による口腔癌抑制において脂質を中心とした栄養状態が大きな影響を及ぼす事が明らかとなった。
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