研究課題/領域番号 |
18K09617
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山内 健介 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (10364150)
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研究分担者 |
鵜沼 英郎 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (30273303)
清水 良央 東北大学, 歯学研究科, 助教 (30302152)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 骨造成 / 骨延長 / 骨膜延長 / ポリエチレンテレフタレート |
研究実績の概要 |
骨膜伸展骨形成を基としたDynamic GBR法について、PETメンブレンによる骨膜伸展刺激の作動によって骨新生が獲得できるかを検証した。対象部位としては、ウサギ頭頂部および下顎骨の2部位とし、各々に対して適切なメンブレンの外形デザインを行った上で実験を施行した。伸展刺激の方法としては一期的な骨膜挙上であるstatic群とメンブレン装着から一定期間の待機期間を経て緩徐な伸展を行うdynamic群に分け、それぞれの刺激に対する骨新生の様相を確認した。評価方法としてはマイクロCT撮影と組織染色(Hematoxylin Eosin染色ならびにElastica Masson染色)であり、両群共にメンブレンと母骨表面の骨間隙に新生骨を確認した。全ての検体で新生骨は母骨側からの形成を確認し、頭頂部の実験では中央部よりもメンブレンとの接触部周囲に骨形成を認め、下顎骨ではメンブレンによる伸展された全域に新生骨を確認した。static群と比較し、dynamic群ではより多くの新生骨を獲得している所見ではあったが、現在、定量的評価を行い、両群間と時間経過による骨新生量の差違について検討している。今後は大動物での歯槽骨で実験を行い、dynamic GBR法の確立に向けて研究を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現段階で小動物における材料の安定性および骨膜伸展刺激に対する骨新生を確認できており、Dynamic GBR法としての可能性は十分に検証できている。当初の計画通りに進捗しており、最終年度は大動物での検証を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
大動物(イヌ)の歯槽骨での実験を始めるにあたり、学内での実験許可申請を終了し、また、使用するメンブレンの至適外形をデザインしている。動物実験許可が下りた上で、実験を開始し、X線評価および組織学的検索を行う予定である。また、小動物実験で得られた結果を学会発表するとともに国際雑誌への論文投稿を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験が順調に進行したことで、使用数を最小限に抑えることができた。また、組織標本の作製を当初は外部委託する予定であったが、学内での作製が出来たことで支出を抑えることができた。さらに特許出願に関して学会等での発表を控えたことで旅費や学会参加費などの経費が抑えられたことで次年度使用額が生じた。
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