口腔扁平上皮癌(OSCC)は高齢化と共に罹患率が増加しており、治療抵抗性や転移などの高悪性形質は生存率を低下させる大きな要因である。それ故、本研究ではOSCCの治療抵抗性に関与する高次エピゲノム異常を解明し、エピゲノムプロファイルに基づいた新たな診断法と治療法を創出することを目的とした。BRD4はMMP2遺伝子の高次のエピゲノム制御機構を介してOSCCの転移に寄与していることが明らかとなった。また、IGFBP-3はDNA修復を促進し、OSCCの放射線耐性に関与していることが分かった。これらの成果はエピゲノム制御を標的としたアプローチが難治性口腔癌の新規の治療戦略となり得る可能性を示唆している。
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