UICC・AJCC(第8版)の口腔癌のTNM分類において、T分類に深達度(Depth of invasion: DOI)の概念が導入された。DOIは、病理組織学的には隣接する正常粘膜上皮の基底膜を結んだ仮想線から癌浸潤の最深部までの距離とされるが、臨床的にはこれが明示されておらず、評価法は未策定である。本研究における単施設及び多施設の後方視的な研究や、CT・MRIとの比較検討の結果、音響カップリング材を併用した口腔内超音波走査によるT1/T2舌扁平上皮癌のDOI計測は、病理組織学的DOIを非侵襲的に術前に高精度に予測でき、基本的な検査法になりうると考えられた。
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