低用量グリシンは血管新生を促進する一方、高用量は血管新生を抑制することを示した。この効果は、血管内皮細胞への直接作用の他、VEGFやNOによる間接作用を介して作用し、さらにPI3K-Akt-mTORシグナルとの相互作用を持つことが示された。グリシンの用量依存的な二相性効果は、血管構造の異常を起こさず血管長だけを変化させるため、機能的血管の制御において有用であると考えられる。 SM22が血管内皮細胞の伸長機能に伴い発現し、血管伸長を抑制する分子であることを明らかにした。SM22の発現は、病的血管において増加することが知られている。本研究によって、病的血管におけるSM22の役割が示唆された。
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