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2020 年度 実施状況報告書

舌癌PDXモデルの確立と前臨床応用に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K09799
研究機関東京歯科大学

研究代表者

菅原 圭亮  東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (10506926)

研究分担者 片倉 朗  東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10233743)
折茂 彰  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70275866)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード口腔扁平上皮癌 / PDXマウス / 頸部リンパ節転移
研究実績の概要

口腔扁平上皮癌の中で最も多くを占める舌癌の外科療法は、術後の食事摂取や会話を困難にし、患者の生活の質を著しく低下させる。本研究では、舌癌悪性化の原因を解明し新規治療開発に役立てるために、患者舌癌手術検体を用いたpatient-derived tumor xenograft (PDX)モデルを樹立する。
また、舌癌間質に多く存在する癌内線維芽細胞 (CAFs)は癌細胞の浸潤、転移の促進や治療抵抗性獲得に関与しているが、その分子機構はまだ不明な点が多い。PDXモデルの樹立および癌患者よりのCAFsの抽出を行い、CAFsがヒト乳癌や大腸癌細胞の増殖、浸潤や転移を促進する事を明らかにした実績がある。申請研究では、患者舌癌由来CAFsを抽出し、舌癌との共移植系PDXモデルを確立する。さらにCAFsが口腔癌の浸潤、転移や薬剤抵抗性に与える影響を解明し、CAFsと舌癌の相互作用を媒介する遺伝子やシグナルを同定し、新規治療法の基礎を確立する。すでにわれわれのグループでは大腸がんのPDX モデルの確立に成功し、またすい臓がん検体でも腫瘍の増大を認めている。

課題) 舌癌PDXモデルの樹立 :舌への同所移植を容易にするために患者癌塊をNOGマウスの皮下に移植を行った。患者舌癌切除検体をマトリゲルとともにNOGマウスの皮下に移植した。同検体より同時にCAFsをprimary culture。対照の正常線維芽細胞は舌の非癌部より抽出。数か月後、皮下で増殖した癌塊をcollagenaseで消化しsingle cell suspension を作製した。NOGマウスに同所移植移植後6か月間経過を観察し、原発巣の増殖や転移の有無を評価する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

PDXマウスの作製には、舌癌の手術検体を採取する必要があり、マウスで癌を増殖させるには約半年必要とし、その癌を移植し癌内線維芽細胞 (Carcinoma-associated fibroblasts : CAFs)を解析していくにはさらに時間が必要である。コロナ禍において2020年1月から12月まで、舌癌患者の全身麻酔下での治療自体を施行することが困難で、PDXモデル用のサンプル採取が十分に準備できなかったため研究が停滞した。

今後の研究の推進方策

現在、舌癌の手術を再開しているので来年度中にはPDXモデルマウスの作製およびその解析用の試薬を使用する予定である。
CAFsの癌転移促進作用や治療抵抗性獲得の分子機構を解明する為に、舌癌由来CAFsあるいは対照の非癌部由来線維芽細胞と移植された舌癌塊より癌organoidsを培養する。これらのorganoidsよりRNAを抽出しマイクロアレイ解析を施行し、各グループ間で遺伝子発現を比較する。

次年度使用額が生じた理由

PDXマウスの作製には、舌癌の手術検体を採取する必要があり、マウスで癌を増殖させるには約半年必要とし、その癌を移植し癌内線維芽細胞を解析していくにはさらに時間が必要である。コロナ禍において、舌癌患者の全身麻酔下での治療自体を施行することが困難で、PDXモデル用のサンプル採取が十分に準備できなかったため研究が停滞した。現状では、舌癌の手術を再開しているので来年度中にはPDXモデルマウスの作製およびその解析用の試薬を使用する予定である。CAFsの癌転移促進作用や治療抵抗性獲得の分子機構を解明する為に、舌癌由来CAFsあるいは対照の非癌部由来線維芽細胞と移植された舌癌塊より癌organoidsを培養する。これらのorganoidsよりRNAを抽出しマイクロアレイ解析を施行する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Mixed Reality and Three-Dimensional Printed Models for resection of maxillary tumor2021

    • 著者名/発表者名
      Sugahara K, Koyachi M, Koyama Y, Sugimoto M, Matsunaga S, Odaka K, Abe S, Katakura A
    • 雑誌名

      Quantitative Imaging in Medicine and Surgery

      巻: 11 ページ: 2187-2194

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Relationship between the immunohistological examination and fluorescence visualization of oral squamous cell carcinoma.2020

    • 著者名/発表者名
      Sugahara K, Koyama Y, Koyachi M, Matsunaga S, Odaka K, Kitamura K, Nakajima K, Matsuzaka K, Abe S, Katakura A.
    • 雑誌名

      Oncology Letters.

      巻: 20 ページ: 2153-2160

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Forkhead box protein O1 mediates tumor-promoting ability in carcinoma-associated fibroblasts via regulating both myofibroblastic and inflammatory traits2020

    • 著者名/発表者名
      Takumi Koyama, Yoshihiro Mezawa, Yu Koyama, Keisuke Sugahara, Akira Katakura, Akira Orimo
    • 学会等名
      第79回日本癌学会学術総会

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公開日: 2021-12-27  

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