研究課題/領域番号 |
18K09801
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
今村 佳樹 日本大学, 歯学部, 特任教授 (90176503)
|
研究分担者 |
岡田 明子 日本大学, 歯学部, 教授 (10434078)
篠田 雅路 日本大学, 歯学部, 教授 (20362238)
篠崎 貴弘 日本大学, 歯学部, 講師 (50339230)
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 特任教授 (60160115)
野間 昇 日本大学, 歯学部, 教授 (70386100)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 口腔灼熱痛症候群 / バーニングマウス症候群 / fMRI / CPM / 卵巣摘出 / ラット / 下行性疼痛抑制系 / 咀嚼 |
研究成果の概要 |
閉経後長期経過したBMS患者の温度刺激に対する痛覚閾値は低下しており、動物実験では卵巣摘出が舌粘膜の菲薄化、粘膜上皮に分布する細径神経の萎縮をもたらしていた。脳画像解析からは、安静時脳機能結合においてBMS患者では下行性疼痛抑制に関与する脳部位の結合が希薄で、罹病期間の長期化は下行性疼痛抑制に関係する脳皮質に形態的変化を生じさせる。このことは、BMSでCPMの障害がみられることを反映している。一方、ガム咀嚼は、BMS患者において下行性疼痛抑制系を賦活させると考えられる。これらの知見より、BMSにおける安静時疼痛は、下行性疼痛調節の失調に基づくものと思われる。
|
自由記述の分野 |
歯科麻酔
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義としては、BMSでは、下行性疼痛抑制系の失調が背景にあり、これには従前から知られていた、うつや不安等の心理社会的要因が関与していることを明らかにした。一方で、BMSの病態と閉経の関係を検討し、閉経が何らかの機序により、体性感覚の障害に関与している可能性を示した。本研究の社会的意義としては、BMSの痛みは「気のせい」ではなく、実際に痛みを調節する脳機能の失調によるものであることを明らかにし、このことは、BMSが近年話題になっている「痛覚変調性疼痛」の病態で説明できる可能性を示した。
|