| 研究課題/領域番号 |
18K10061
|
|---|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 基金 |
|---|
| 応募区分 | 一般 |
|---|
| 審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
|
|---|
| 研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
|---|
研究代表者 |
鈴木 武博 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (60425494)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
| キーワード | ヒ素 / 妊娠期曝露 / 後発影響 / 肝実質細胞 / RNA-Seq |
|---|
| 研究成果の概要 |
我々は、妊娠期ヒ素曝露した母親から産まれた子世代（F1）と孫世代（F2）のオスで後発的に肝腫瘍発症率が増加することを明らかにしている。本研究では、そのメカニズムについて肝臓を構成する細胞ごとに解析するために、肝臓から肝実質細胞と肝星細胞を単離する条件を確立し、それぞれの細胞で遺伝子発現変化を網羅的に解析した。その結果、ヒ素曝露されたF2の肝実質細胞において、対照群と比較して、脂肪蓄積、糖新生経路の異常、酸化ストレスの増加に関与する遺伝子の発現変化が観測された。したがって、これらの遺伝子発現変化がF2の後発的な肝腫瘍発症率の増加に関与する可能性が示唆された。
|
| 自由記述の分野 |
衛生学
|
| 研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有害物質に脆弱と考えられる胎児期や乳幼児期における環境化学物質曝露が、次世代やさらにそれ以降の世代にまで健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。無機ヒ素についても、疫学研究や動物実験により、F1やF2での肝腫瘍発症率の増加が報告されているが、詳細は明らかになっていない。本研究では、F2の肝実質細胞において、脂肪蓄積や糖新生に関与する遺伝子の発現が変化することを明らかにでき、ヒ素による世代を超えた後発影響についてどの細胞がどのような影響を受けるかの実態の理解及びそれに基づく予測・予防に資する基礎的データを得ることができた。
|
