研究課題
基盤研究(C)
どのような皮膚洗浄剤が創傷治癒を妨げないのかを明らかにすることを目的に全層皮膚3次元培養モデルおよび単層培養の皮膚線維芽細胞に対する洗浄剤の影響について検討した。3次元培養モデルに傷をつけ、毎日5分、5日間洗浄剤を作用させると、全層が溶けてしまい、切片にすることができなかった。単層線維芽細胞に洗浄剤を単回作用させた。一般向けの洗浄剤は、濃度依存的に細胞数の増加とコラーゲン量が増加した。敏感肌用洗浄剤は、細胞数は洗浄剤処理前よりも増加していたが、細胞内コラーゲン量は一般用洗浄剤より低かった。
基礎看護学
創傷治癒に寄与する皮膚線維芽細胞の増殖やコラーゲン量について検討した。今回検討した洗浄剤では、細胞数と細胞内コラーゲン量に対する影響は異なる傾向があった。創傷治癒に対する洗浄剤の種類による違いについては、明確に示すことができなかった。今後、細胞数は多いがコラーゲン量が少ないことに対するより詳細な検討や、動物実験などでの生体における検討によって明確にしていく必要があると考えられる。