研究課題/領域番号 |
18K10197
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
宮芝 智子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (20321119)
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研究分担者 |
舟島 なをみ 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (00229098)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 講義 / 看護技術演習 / 看護基礎教育 / 看護教員 / 問題 |
研究実績の概要 |
本研究は、実習の基盤となる講義・演習に焦点を当て、看護学教育における授業改善システム<講義・演習版>を開発することを目的とする。このシステムは、教員が講義・演習の授業過程に生じる問題を自ら診断・克服し授業過程の質を向上することを通して、授業の成果である目標達成度を高めるという特徴を持つ。本研究の成果は、講義・演習の質改善、実習に向けた学生の準備性の向上、ファカルティ・ディベロップメントの推進に貢献する。 初年度である2018年度は、第1段階として、看護学の講義及び技術演習を担当する教員が直面する問題の全容解明に向けたデータ収集を実施した(全国調査1)。看護学の講義および技術演習における教授活動に関する文献検討、看護教員や看護師、学生が直面する問題を解明した先行研究を検討し、質問紙を作成した。質問紙は、看護学の講義および技術演習を担当する教員が直面する問題の有無とその内容を問う自由回答式質問、教員の個人特性を問う選択回答式質問および実数記入式質問から構成された。 質問紙の内容的妥当性を検討するために、パイロットスタディを実施した。大学および専門学校に所属する教員68名に質問紙を配布し、対象者個々の個別投函により30部を回収(回収率44.1%)した。回答内容を分析した結果、看護学の講義および技術演習を担当する教員が直面する問題について具体的に回答されており、質問紙が内容的妥当性を確保していることを確認した。 次に層化無作為抽出法により抽出した全国の看護系大学、短期大学、専門学校204校に研究協力を依頼し承諾を得た68校に所属する教員602名に質問紙を配布した。現在、質問紙を回収している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理審査の承認を得ることに時間を要したこと、層化無作為抽出法による全国調査に関して、研究協力依頼に対する承諾が想定より少なく、質問紙配布までに時間を要したことにより、2018年度中に終了する予定であったデータ収集がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
看護学の講義及び技術演習を担当する教員が直面する問題の全容を解明するために、収集した質問紙の内容を電子ファイルに入力してデータとし、次のように分析する。 1.看護学の講義・技術演習を担当する教員が直面する問題 Berelson, B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析を用いる。研究のための問いを「看護学の講義【技術演習】を担当する教員は、どのような問題に直面しているのか」とする。また、問いに対する回答文を「看護学の講義【技術演習】を担当する教員は、( )という問題に直面している」とする。 自由回答式質問のうち、各教員の記述全体を文脈単位、「看護学の講義【技術演習】を担当する教員が直面する問題」を表す1内容を含む記述を1記録単位とする。同一の表現の記録単位、表現は異なるが意味内容が同一の記録単位を集約して同一記録単位群とする。次に、個々の記録単位群を意味内容の類似性に基づき分類し、その記述を忠実に反映したカテゴリネームをつける。最後に、各カテゴリに包含された記録単位の出現頻度を数量化し、カテゴリ毎に集計する。カテゴリの信頼性は、看護学の講義、演習を展開した経験を持ち看護教育学研究を行った経験を持つ看護学研究者2名によるカテゴリへの分類の一致率をScott, W.A.の式に基づき算出し、検討する。 2.教員の個人特性 統計解析ソフトを用いて、選択回答式質問、実数記入式質問への回答の記述統計量(度数、平均値、標準偏差、百分率)を算出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集の遅延に伴い、データ収集の郵送代の一部およびデータ入力にかかる費用を次年度使用することとなったため。
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