研究課題/領域番号 |
18K10398
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
松原 三智子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (20304115)
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研究分担者 |
和泉 比佐子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60295368)
北田 雅子 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (40382460)
真田 博文 北海道科学大学, 工学部, 教授 (80250512)
倉本 浩平 北海道科学大学, 未来デザイン学部, 准教授 (40736378)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 保健師 / 1歳6か月児健康診査 / 介入困難事例 / 親子の様子 / 視聴覚教材 |
研究実績の概要 |
1歳6か月児健康診査(以下、健診とする)で、①保健師が介入困難な事例、②保健師の健診での関わり方の課題、③健診に必要なスキルアップ教材のニーズについて明らかにすることを目的に、健診に従事経験のある保健師5人を対象にグループインタビューを実施した。 ①保健師が介入困難な事例:母親が孤立している、コミュニケーションを行う上で反応が鈍い・ずれている・かみ合わない、子どもの様子を把握していない、子どもへの関わり方が希薄で子どもに合った関わりができていないなどが示された。また、子どもは視線が合わない、言葉を発しない/少ない、積み木が積めない、落ち着きがない、指示が理解できないなど、発達上の課題やコミュニケーションの取りづらい子どもの様子が示された。 ②保健師の関わり方の課題:子どもの発達が緩やかで積み木積み、指差し、有意語などの課題を確認できないと、「母親が子どもにうまく関われていない」ことを保健師が突き詰めることにつながり、母親は保健師に対して拒否的な態度を示す例が散見された。また、健診のフォロー率は、以前は50~60%で、基準を見直して40%後半に低下したが高い状況にある。したがって、問診を取る上で、発達の見方を学習すると共に、母親とのコミュニケーション方法について、コーチングや動機づけ面接を用いて関係づくりに焦点化した面接技術を構築していく必要性が示唆された。 ③健診に必要なスキルアップ教材のニーズ:有用な教材として、自分の意志でオンライン学習する場合は、特定日を設けてアクセスする方法で、興味ある内容(例えば、具体的な問診のやり取り、子どもの発達について、良い例と悪い例を比較して示すなど)で、45分から1時間程度のオンデマンドなどだと眠くならずに学習できる。また、実際の生活ではラインは使うが、スカイプなどのネット電話やZoomなどの活用は経験がないことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
大学業務の多忙と新型コロナにおける影響のため、2~3月に予定していたインタビューが実施できず、対象者を増やすことが困難であった。そのため、研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1歳半健診における介入困難事例、保健師の健診での関わり方の課題、健診に必要なスキルアップ教材のニーズについては、対象者は少ないが情報を得ることができた。これらの研究成果をまとめて学術誌、学会などで発表する予定である。 また、次年度は発達の遅れを指摘された母親からインタビューを行い、保健師がどのような対応をすると安心して相談ができるのかを明らかにしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅延に伴い執行ができなかったため。
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