一昨年、2018-2019に4回実施した「妊娠・出産期からの子ども虐待発生予防研修」(開発教育プログラムの実施)の質的データについて分析し、これまでの科研で生成した『産科医療機関における「気になる親子」の発見から他機関との連携が発展するプロセス』の理論が臨床に適合していると評価できた。 今年度は「妊娠・出産期からの子ども虐待発生予防研修」の有用性について、数値データを用いて検討した。研修前後で比較する項目は、 ①子ども虐待の現状・支援の目的(10項目)、②子ども虐待の基礎知識(12項目)、③気になる親子の退院後の生活や支援(5項目)、④他機関の役割や支援内容(10項目)、⑤他機関へ情報提供のための同意と法律(3項目)、⑥産科医療機関と他機関の連携/望まれる役割(5項目)、⑦産科医療機関の課題と対策(2項目)、⑧子ども虐待の予防に向けた認識(8項目)である。すべての項目において、研修前より研修後は有意に数値が上昇していた。すなわち知識・認識が高まった。教育プログラムは質的・量的データの量分析から、有用であることが明らかとなった。現在、学術雑誌に投稿中である。 今後は教育内容の普及にICTの活用を視野に入れ、教材の開発を行いたい。
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